チェルシー 八角皿(1752年頃)
A Chelsea Octagonal Plate C.1752
チェルシー(レッド・アンカー期)の八角形の皿。チェルシー(CH8)と似た形状であるが、本品は縁部分に格子枠内に花をあしらった浮彫りが施されている(チェルシー(CH11)を参照)。また中央部分の窪みも浅めである。
中央には、何種類もの花が多色彩で描かれている。また縁の角部分には浮彫りがなく、盾状のパネルになっているが、そこにも小花や昆虫が描き込まれている。
チェルシーに関する代表的研究書(三分冊)を著したF. Severne Mckennaによると、本品にある格子状の浮彫りは銀器から影響を受けたもので、「浮彫りの錨(raised anchor)」期の作品に見られ、それに続く「赤い錨(red anchor)」期への移行期にも作られたとされている。(レイズド・アンカー期の作例は、下記Mckennaの著書(raised anchor wares)及びV&Aサイトで見られる。)
裏面高台付近には、例によって小さな「赤い錨」マーク(長さ4mm)が記されており、高台内には目痕もある。強い光にかざすと、いくつもの「ムーン」(丸い気泡)が見えるのも、典型的なチェルシー作品の特徴である。
直径(対角線上)/Diagonal Diameter: 25.5cm
マーク:赤い錨
Marks:a red anchor
参照文献/References:
-F. Severne Mackenna "Chelsea Porcelain The Red Anchor Wares" fig.8 and pp.19 & 84
-F. Severne Mackenna "Chelsea Porcelain The Triangle and Raised Anchor Wares" fig.59 and pp.34 & 83
-V&A Museum Website:
http://collections.vam.ac.uk/item/O335745/dish-chelsea-porcelain-factory/
-British Museum Website:
https://www.britishmuseum.org/collection/object/H_1940-1101-70
(2020年6月掲載)